スーツの代表的な柄の一つに挙げられるストライプですが、『東京のオフィス街で働くビジネスマンでもない限り着る機会なんて無い』と敬遠していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。ここではそんな方向けに着こなしのポイントや着用シーンをご紹介していきます。
ここでは着こなしていただくにあたって、難易度が低い順に代表的な4つの柄をご紹介していきます。 最初にご紹介するのは【シャドーストライプ】です。これは織り柄の陰影で縞を表現するものになります。遠目から見ると無地に見えるため、『派手な柄は無理だけれど、無難な無地以外にも挑戦してみたい』という方の最初の一歩にぴったりの柄です。
次は【ピンストライプ】です。ピンで突いたような縞柄という意味で名づけられていますが、破線で描かれた細い線で構成される縞柄、と言った方がイメージしやすいかもしれません。それほど周りに強烈な印象を与えずに、落ち着いた印象を与えてくれる柄と言えます。
三番目は【ペンシルストライプ】です。これは文字通り、鉛筆で描いたような線で作られる柄になります。ピンストライプよりも線がしっかりと描かれており、縦のラインが協調されるので、すっきりと着痩せ効果を狙うことができます。
そして最後が上級者向けともいえる【チョークストライプ】です。濃い目の色の生地にチョークで書いたような線が引かれた縞柄です。バンカーズストライプとも呼ばれており、『信頼感を与える代表的な柄』として、特にイギリスやフォール街の金融業界で働く人々に愛されてきた柄になります。東京でも特に大手町や丸の内では見かけることがある柄です。今まで紹介した中では、最もインパクトのある柄なので、少し上級者向けと言えるかもしれません。
ここではより具体的に、どんな人にどんなストライプが似合うのか、またその着こなしのポイントをご紹介していきます。 まず、20代の若手ビジネスマンやあまり目立つことが好まれない職場、職種の方におすすめなのがシャドーストライプです。日本では、最も好まれるストライプと言っても過言ではなく、用途やシーンを選ばずに利用できる柄です。
当たり前ですが織り柄がポイントになりますので、是非オーダースーツのお店などで生地にこだわっていただくと品の良さが際立ってきます。 ネクタイやシャツは比較的どんなものでも合わせやすいので、コーディネートに迷う心配はありません。
ピンストライプやペンシルストライプ30代~40代のビジネスマンにおすすめです。特に営業職など外に出て交渉ごとをするような職種の方に向いている柄です。ネイビーなどの地色を選ぶと、爽やかさの中にも信頼感のある印象を与えることができます。合わせるシャツやネクタイは無地のようなシンプルなものが合わせやすいでしょう。
チョークストライプは是非とも50代、60代の大人の男性に着こなしていただきたい柄です。意外に思われるかもしれませんが、ネクタイやシャツのコーディネートの範囲が広いのがこの柄になります。ネクタイはシンプルな無地はもちろん、多少大胆な柄でも大丈夫です。難易度の高い柄であることは間違いないので、オーダースーツのお店で信頼できるプロのアドバイスを貰ってください。
おしゃれ・知的・信頼感など前向きな印象を与えてくれる一方で、強い印象を残しやすいという特徴もあるためどんなシーンにも万全という訳ではありません。NGシーンと似合うシーンをきちんと押さえ着こなしを楽しんでください。
まずNGシーンです。言わずもがなですが、葬儀などの弔事の際に着用することはNGであると言えます。また、結婚式やパーティーなどの慶事のシーンであっても、自分より目上の方が出席される場合には控えておく方が無難だとお考え下さい。
また、東京などの都心部では比較的受け入れてもらえることが多い柄ではありますが、地方の場合には必要以上に派手な印象を持たれてしまうことがあるので注意しましょう。
一方でOKシーンですが、前述の通りこの柄は着る人に知的で信頼できるビジネスマンという印象を与えてくれる力があります。ですので、営業などで社外の方にお会するような場合や、大切なプレゼンなどのここ一番という場面で着用すると絶大な効果を発揮してくれることでしょう。
また、おしゃれで仕事が出来そうなイメージということで女性にも人気のある柄ですので、大切な女性とのデートの際にもおすすめです。 いづれにしても大事な場面で着こなしていただきたいスーツですので、プロのいるオーダースーツのお店で、自分に似合う一着を一緒に探してもらうのが賢い選び方だと言えるでしょう。
なんだか難しそう、おしゃれな人が着るもの、と思われがちなストライプスーツですが、ポイントを押さえれば決して難しくありません。むしろ逆にあなたをより魅力的に見せる戦力になってくれます。是非お気に入りの一着を見つけてみてください。