成人式や就職など、20代になるとスーツを着る機会も徐々に増えていきます。他の人とは違う、自分だけのスーツを着たいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざオーダースーツを作ろうと思っても「東京にはお店がありすぎて決められない」「スーツのどこにこだわればいいんだろう」など、スーツ製作に疑問や不安も出てきますよね。
そこで本記事では、オーダースーツの基本情報から20代のオーダースーツ製作におけるポイントなど、失敗しないために知っておきたい情報をまとめました。
費用相場や店舗の選び方など、オーダースーツについて色々と知りたい!と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
オーダースーツにどんな種類があるのか、また費用相場についても知らない方は多いでしょう。オーダースーツは大きく「フルオーダースーツ」「イージーオーダースーツ」「パターンオーダースーツ」に分けられます。ここではそれぞれの特徴や費用について詳しく解説します。
フィッターに実際に採寸してもらい、自分専用の型紙を作るところからスタートするのがフルオーダースーツです。必要があれば仮縫い後にも試着してサイズの微調整を行うので、身体の曲線にきれいにフィットするスーツが完成します。
仮縫いは1回のお店もあれば2回行っているお店もあります。また、仮縫い以外にも“中縫い”と呼ばれる仕立てる途中に着用することで、仮縫いよりもより着用イメージの近い状態で羽織ることが可能なお店もあります。
他のオーダーと比べて非常に着心地がよいですし、完全オリジナルの1着です。すべての工程が職人によって手作業で行われるため、納期は2か月から3か月ほど必要になります。
3種類に分けられるオーダースーツの中でも最も費用は高額で、20万円以上、最高級品なら100万円にもなります。
イージーオーダースーツとは、ゲージ服と呼ばれるサイズごとのジャケットを羽織り、ベースとなったものにグレーディングと呼ばれるサイズ調整手法で修正していくスーツです。丈や袖のサイズなど、細かい部分のサイズ調整を行ってくれます。いわはフルオーダーとパターンオーダーの中間です。
学生時代にスポーツしていたことで肩が分厚いなど、いまいち工場既存のスーツがフィットしないとお悩みの人にとくにおすすめです。納期は4~5週間ほど、費用は5~10万円ほどが目安です。
基本となる既製服があり、縦方向の長さ(袖丈やズボン丈)を変えることができるのがパターンオーダースーツです。3種類の中で納期が最も早く、2~4週間ほどで完成します。値段も最もリーズナブルで、2~5万円です。
普通のスーツとほぼ同じ値段なので、気軽に挑戦できますね。初めてオーダースーツを購入するなら、まずはパターンオーダースーツがおすすめです。
國枝大祐
どのオーダースーツを選ぶにしても、フィッターとの相性が重要になってきます。同じ生地、同じ縫製工場を使用したとしても出来上がりに差がでてくることがあります。これは、私のお店でもそうですが、先代と私ではお客様に対するジャストフィットの感覚が違う為です。生地や縫製クオリティーはもちろん、フィッターと話をして自分とフィーリングが合うかがポイントとなります。
それでは、オーダースーツを作るメリットとデメリットについて考えます。まずメリットとしては、自分の体にぴったりフィットする上質なスーツができることです。
標準スーツがしっくりこない人でも、体型にぴったりのスーツが手に入ります。また、ステッチや裏地など、細部まで自分好みのデザインが実現できるので、スーツに袖を通す度に気分が上がるはずです。
デメリットとしては、やはり高額になりがちであることと、受取りまでの時間がかかることです。それ以外に、でき上がりのイメージがし辛いことや採寸する人の体型を読む力の経験値によって、でき上がりに差が生まれてしまうことも挙げられます。
毎回着用後はブラッシングして専用のハンガーに掛けることや、クリーニングは信頼できる店に頼むことが必要になります。
國枝大祐
私はビスポーク畑なので…(苦笑)価格と着用年数を考えると決して高価ではないのかな?と思います。ビスポークスーツの場合大体20年ぐらいご着用いただけるよう縫込みをつけて仕立てており、体重が±6キロぐらいは変動してもお直ししながらご着用できます。もしデメリットをあげるとしたら、高価で長い期間のご着用を想定していますので、もちろんその時々のトレンドは取り入れますが、常に流行の最先端のスーツが欲しいお客様には向かない、もしくはお客様からご了承をいただいてからお仕立てしています。
ここまでオーダースーツの種類や費用相場を解説しましたが、実際にオーダースーツを作る際、どういう点に気を付ければよいのでしょうか?オーダースーツを作る前に、ぜひ押さえておきたい6つのポイントについて解説します。
まずは予算を決めましょう。なぜなら、オーダースーツは細部までこだわるほど金額が上がっていくからです。予算をきっちり決めていないと、思った以上に費用が大きくなり負担が増えてしまいます。そのため、最初にスーツにかける金額を決めておくのがおすすめです。
オーダースーツを作る際は、納期もチェックしておきましょう。最も納期が早いパターンオーダーでも2週間以上、フルオーダーなら2か月以上かかります。仕上がり後の試着で違和感があり、直しが必要になる場合もあります。そのためスーツが必要なイベントなどに間に合うよう、早めにオーダーすることが大切です。
オーダースーツは、着用する季節や着用シーン、候補としているカラーなど、ご自身の着用イメージを事前にできるだけ明確にしておくことも大切です。また、デザインについても同様で、細かいディテールについては知らなくても「良いな」と思う写真を雑誌やネットなどで3つほど用意しておくだけでも、イメージに近いものを提案してもらえるので、より自分の理想に合ったオーダースーツ製作が可能となります。
オーダースーツは、スーツの内側につけるポケットのサイズも変えられます。手持ちの財布などにサイズを合わせることもできるので、とても便利になります。このようにオーダースーツは機能性にもこだわることができるため、「どんな機能をつけたいか」「欲しい機能を依頼するオーダースーツの会社で取り扱っているのか」を確認し、普段着用しているスーツの不満点があればお店側に伝えておくと、その部分を意識して仕立ててもらえるでしょう。
有料になりますが、オプションで細部のデザインを追加できます。袖口の仕様、ステッチ、裏地、名入れなどが人気のオプションです。
仕上がったときには必ず試着して、違和感があればその場で伝えて直してもらいましょう。仕上がり後もサイズ直しをお願いできる店なら安心ですね。初回オーダー時の採寸をもとに、2回目以降はウェブで注文できるお店もあります。オーダースーツを作るなら、アフターサービスにも注目するとよいでしょう。
國枝大祐
私のお店では、案外お任せのお客様も多いですが、裁断師の立場からお話させていただけたら、最初のご注文では、ネットや雑誌なりで、お好みのスタイルの写真を2、3枚ご用意いただけるとイメージが湧きやすいです。3枚に共通する部分からお客様の好みを察し、またそれぞれ違う場合はヒヤリングしながら好みをすり合わせていきますので、お客様は細かなディテールや違いを知らなくても大丈夫です。
オーダースーツを作成するとき、お店選びは重要です。ここでは注目してほしい4つのポイントについて解説します。
実際にお店を訪れて、スタッフやお店の雰囲気を確かめましょう。質問に対して丁寧に説明してくれるか、体型の悩みも相談できそうか、信頼してオーダーできるお店なのかどうかを確認してください。
自分が求めるスーツスタイルが実現できるお店を選びましょう。お店のHPに載っている写真や店頭に飾っているスーツを見れば、そのお店の得意とするスタイルがイメージできるはずです。あわせて、ご自身でスーツの着用イメージもできるだけ明確に持っておきましょう。
仕上がり後に、直しに対応してくれるお店を選びましょう。お店によっては無料の補修期間を設けている場合もあります。スーツは長く着るので、購入後のサポートが充実しているかは重要なポイントです。
オーダースーツを作る際、細部までこだわるほど費用はふくらんでいきます。オプションを含めて予算内におさまるか、スタッフに相談して事前に確認しておきましょう。
國枝大祐
上記の通りだと思います。もし、追加で挙げるとしたら、”インスタ映え”を意識しているお店を選ぶのも一つの手だと思います。インスタをみていると表面上“それっぽく”しただけのお店もたまに見受けられますが、作業風景やスーツなど、自分が手掛けているものをより良く魅せたいという気持ちの部分があるかどうかの判断で、お客様に対しても、ただ作るのか?それともより格好良く着用して欲しいのかという部分に繋がってくるのかな?と思います。
若い20代のビジネスマンにおすすめしたいのが、フレッシュ感を出した着こなし術です。全体的にネイビー系にまとめると清潔感を感じられます。もし明るめのカラーを着るなら、スーツの柄は無地がおすすめです。また、全体的にダークグレー系にまとめるとシックで大人っぽい雰囲気になります。
20代後半のおしゃれ上級者の方なら、英国風のチェック柄に挑戦するのも素敵です。スーツに合わせるシャツは白にすると清潔感が出ます。ネクタイはブルー系や赤系のストライプ、もしくは小さなドット柄などがアクセントになります。足元は黒や焦げ茶の革靴を合わせて、髪型はワックスなどで整えるとすっきりしてオシャレです。
國枝大祐
私はたまに学生にスーツの着こなし方の講演をしていますが、20代の方にも是非お伝えしたいのが、社会人として着るスーツは学生時代とは違い、自分が好きな服を着るよりも、常に「相手からどう見られたいのか?」を意識してもらいたいです。それは「フレッシュさ」なのか、それとも「信頼感」なのか?はたまた「デキル男」なのか?それらを意識してスーツを考えると、自ずと自身が着るべき洋服が見えてくるのではないかと思います。そして、「その恰好はその場にふさわしいのか?」「季節感は合っているのか」なども吟味して着用していただけたらと思います。
オーダースーツを着ればスタイリッシュで好印象になれるだけでなく、快適に動けるので仕事へのモチベーションも上がります。ぜひ若い20代のビジネスマンこそオーダースーツを試してください。あなたらしさをスーツで表現できますよ。