ONLY(オンリー)のサービス理念は、その名の通り、オンリーワンであることをコンセプトにしています。他では味わえない経験と高い技術力が融合された専属テーラーによる物づくりと、それを体験できるのが特徴です。
1976年本店オープン以来、「Made in ONLY」をかかげ、独自のサービスを展開しています。この記事ではそんなONLYの魅力について触れていきます。
同社のミニマルオーダーは、採寸と生地選択のみなので、とても簡単な注文システムになっています。特別な採寸法を使用しているので、採寸から生地選択まで、なんと20分で終わってしまうのです。
店舗で採寸した場合、そのデータはクラウド保存されるので、オンラインや実店舗で好きな時に注文可能です。もし、自宅近くに店舗がない、来店できないときは、メンズ版にかぎり、同社特製メジャーを使い、自分自身で採寸し注文することもできます。
その場合の来店は不要になります。ミニマルオーダーで選べる生地には、下記2種類があります。
・スタンダード生地:価格と品質のバランスがいい独自の生地/価格:30,800円(税込)
・プレミアム生地:タスマニアウール混を使用した上質生地/価格:41,800円(税込)
どちらも良心的な価格設定で、2着同時に買うと「2着割」という嬉しい特典がつきます。購入者のなかにはこの「2着割」を選ぶ人が比較的多いようです。
創業者でもあるテーラー監修の自社ブランドを持つ「ONLY」ですが、「テーラーメイド」がスタートしたのは2002年です。そのコンセプトは、本当に「着たい・作りたい」スーツを作るというものです。
ONLYのテーラーメイドスーツ作りの特徴は以下にあげられます。
ハイクオリティーを維持するために、熟練職人の手腕によって、生地裁断から縫製、仕上がりまでの全工程を自社工場「オンリーファクトリー」で行っています。
ゼニアやロロピアーナなど高級ブランドから最新流行のブランド、またリーズナブルなONLYオリジナル生地の多彩なものが毎シーズン用意されています。
種類豊富なジャケットのモデルやパンツのシルエット、裏地やボタンなどの多種多様なオプション。特別オーダーならではの繊細なディテールが自分だけの1着をつくりあげます。
ONLYの独自技術として「超軽量化」というものがあります。その名もKU(空)仕立てというまさに軽さを感じるネーミングですが、通常のスーツに比べて、おおよそ100グラムの軽量化に成功しています。
注目ポイントはスーツの形や着心地にも関係してくる「毛芯」にあります。型崩れを防止して胸の立体感を維持するのが「毛芯」といわれるスーツの芯地の役目です。
昨今は肩から胸にかけてのハーフ毛芯と前身頃をカバーしている接着芯との併用がポピュラーですが、当初は、フル毛芯を使った大変重たいスーツでした。ONLYでは、生地口の粗い“絡み織り”といわれている方法で製織した薄い布地に樹脂を塗った、超軽量化した芯地を編みだすことに成功しました。
また肩パットやタレ綿の軽量化にも成功し、張りとコシがあって自然な着心地と質感にできあがる夢のようなスーツが完成しました。それが「空仕立て」です。
もう一つONLYの独自技術として紹介したいのが「HOMEWASH」スーツというものです。これは自宅の洗濯機で洗っても形がくずれず、かつ地球にもやさしいスーツです。先の「空仕立て」も開発した工場長が開発したものなのですが、実はこの方、日本ではじめて「洗えるスーツ」を生み出した人なのです!
今でこそ洗えるスーツは常識化しつつありますが、当時この発見は画期的であり、ウールマーク協会からも正式に認められたほどです。その作り方とは、ウールに樹脂をコーティングする「バップ加工」という洗うための特殊加工を施し、さらに濡れた状態で縫いあげることで、洗えるスーツを作り上げたとのことです。
現在は、生地が固くなり風合いが損なわれることを理由にバップ加工を行っていません。その代わりに、洗っても支障のないポリエステル混生地を使い、縫いや折り目部分に形を記憶する加工のシロセット加工を施して、水がたまらないようにします。
そして何度もテストをして完成したのが、現在の「ホームウォッシュスーツ」です。ONLYが開発した洗えるスーツは容易にシワがつかず、保型性にも優れています。
他社製のウォッシャブルスーツは沢山ありますが、ONLYの「ホームウォッシュスーツ」はその抜群の保湿性と防シワ性において他の追随を許さないでしょう。
今回はONLYが目指していることや大事にしていることなどについて解説してきました。最短20分で完了してしまう「ミニマルオーダー」。
一方でこだわり抜いて作られていく「テーラーメイド」。両者それぞれに良い部分がありますが、自分の利用シーンに応じて使い分けてみるのも一つの楽しみなのではないのでしょうか。
また、「洗えるスーツ」の開発に携わった開発者の想いに身を馳せながら着用してみるのも良いかもしれません。