BARON’S(バロンズ)は、1963年に創業された老舗ショップです。イタリアやイギリス産のハイブランド生地を、伝統と洗練の技術でエレガンスに仕立ててくれます。
ビスポークスーツの原点ともいえる「お客様との対話重視」をモットーにしているため、採寸から最終的なフィッティングに至るまで細かく話を聞きながら対応してくれるのも特徴的な部分です。心から満足のいくスーツを求めているなら、バロンズはおすすめだといえるでしょう。
バロンズのオーダースーツには、ジャケットとパンツのどちらにもさまざまなこだわりを見ることができます。美しさや便利さが追求されたディテールをご紹介します。
襟などの基本的な箇所だけではなく、ラペル、胸・腰ポケット、背中センター、袖後ろ、袖口、肩線など、至る所にステッチが施されているのはバロンズのオーダースーツの大きな特徴です。このことにより、柔らかい生地を使ったスーツでも型崩れしにくくなっています。
また、見た目にも高級感が増すため、できるだけいろいろな場所にステッチを入れてほしいという人にバロンズはぴったりです。
ジャケットの内側にあるポケットの周囲を、裏地ではなく表地を折り返して仕立てることを台場仕立てと呼びます。そのなかでも、折り返された表地の先端を三角形にしているのが「三角台場仕立て」です。
バロンズではその「三角台場仕立て」がジャケットに採用されているため、かなり丈夫な仕様になっています。なおかつ、台場仕立ては通常より表地を多く使うので、贅沢な仕様でもあるといえるでしょう。
最近のカジュアルパンツなどには付いていない場合も多いですが、バロンズのオーダースーツのパンツにはベルトピンループがしっかりと付けられています。そのため、ベルトのバックルを正しい位置で固定でき、着用中にベルトがずれたり、ウェスト部分が消耗したりするのを防ぐことができます。
一概にはいえませんが、ピンループは細かい部分までこだわられているスーツかどうかを見極める指標になるという側面があるのは事実です。ピンループがあるパンツを着用することには、スーツへこだわりを持っている人物だとアピールできるという利点もあるといえます。
バロンズには「ハンドメイドスーツ」と「メジャーメイドスーツ」という二種類のオーダースーツが存在します。どちらも高品質なのは変わりませんが、それぞれが違った特性を持っているので、順番に見ていきましょう。
全ての工程が職人の手作業によって行われているのがハンドメイドスーツです。一針一針に職人の心が込められているため、極上の着心地になっています。
ハンドメイドスーツの特徴は「仮縫い」や「中縫い」という工程が存在することです。「仮縫い」は裁断した生地や芯地・肩パッドなどを仮留めした状態で実際にスーツを着る予定の人に一度身に着けてもらって寸法などを調整する工程、「中縫い」はほとんど出来上がった状態のスーツに細かい調整を施す工程のことを指します。
こうした仮縫いや中縫いの際に、バロンズのスタッフは対話をしながら細かくチェックをしてくれます。気軽なおしゃべりといった雰囲気で話しながら仕立てを進めてもらえるのは、バロンズの特徴がよく表れた部分だといえるでしょう。
メジャーメイドスーツは国内屈指といわれる提携工場でベテラン職人が縫製を行います。仮縫いや中縫いは行いませんが、体型補正やシルエットの細かい要望などには応えてくれるので、決してメジャーメイドだからといって品質が低いというわけではありません。
また、希望すればメジャーメイドでも有料で仮縫いを行ってくれます。メジャーメイドでもしっかりこだわりたいという人は希望してみるのがおすすめです。
バロンズで取り扱っている生地は、主にイタリアとイギリスの有名メーカーによる上質な生地です。取り扱いブランドの一部を紹介するので、一体どんなブランドの生地を選ぶことができるのか知りたい人はチェックしてみてください。
「ゼニア」と縮めて呼ばれることも多い、イタリアの代表的な高級ファッションブランドです。1910年に生地メーカーとして創業し、現在では世界80以上の国や地域に店舗を展開しています。
オーストラリアから買い付けた天然素材を自社工場で加工することで生産されるウールは、数ある生地メーカーが手掛ける生地のなかでも最高の品質です。世界中のあらゆる高級ブランドから愛され、今や世界の高級紳士服の30%はゼニアの生地によって作られているといいます。
ドーメルは現存する世界最古の服地商社です。1842年に創業者のジュールズ・ドーメルがイギリスから輸入した毛織物をフランス国内で販売したところから始まり、現在は80か国以上に生地を供給して世界的な評価を受けています。
ドーメルの看板商品となっているのが「アマデウス」という名前のコレクションです。フランス人デザイナーの手による艶やかなデザインや、英国製ならではのしっかりとした質感で人気を博しています。
BARON’S(バロンズ)は20代から80代まで年齢も職業も多種多様な人々の要望に応えるべく、しっかりと対話をしながら仕立てを進めるのが特徴のショップです。
蒲田店と大森店の二店舗があり、どちらも駅前の繁華街からは少し離れた閑静な場所に建っているので、じっくりスーツについて話すことができます。特に蒲田店は68坪というかなり広い店舗なのを活かして常時400点以上の生地をディスプレイしているので、実際に生地を見て判断したいという人は蒲田店へ足を運んでみるのがおすすめです。
価格帯も3万8,000円からという良心的な設定になっているため、なるべく低コストでオーダースーツを仕立ててもらいたい場合にも、バロンズは最適なショップの一つだといえるでしょう。